塗装できる屋根とできない屋根
こんにちは。家丸です。
今回は塗装できる屋根とできない屋根についてお話します。
屋根塗装をご依頼される際、お役立ていただければ幸いです。
1 塗装できる屋根材
まずは塗装が可能な屋根材をご紹介します。
・スレート
粘板岩を板状にした建築材です。
天然石を使用した「天然スレート」と、セメントを主成分とした「化粧スレート」があり、安価なため、化粧スレートが一般的に使用されています。
「カラーベスト」「コロニアル」などの商品名で呼ばれることもあります。
・ガルバリウム
金属鋼板をアルミニウム、亜鉛、シリコンでメッキした鉄のことです。
錆びにくく、ひび割れることのない素材です。
スレートなどよりも少し施工価格が高くなります。
・トタン
錆びやすい素材なのでさび止め塗料で下塗りを行います。
錆びがひどいと穴が開いてしまい、補修や葺き替え
が必要になります。
・アスファルトシングル
ガラス基材にアスファルトを浸透させて、石粒を吹き付けた屋根材です。
アメリカでは80%の住宅で使用されています。
・ジンカリウム
ガルバリウムとほぼ同じ成分で配合された鋼板です。が、メーカーによって商標登録が違います。
表面に石粒をコーディングしたものをジンカリウム鋼板と呼ぶことがあります。
その他にも「石粒付き鋼板」「ストーンチップ鋼板」「自然石粒付き鋼板」「自然石粒付き化粧鋼板」と呼ぶこともあります。
・セメント瓦
1970年〜1980年によく使われていた、セメント製の屋根瓦です。
表面がザラザラしていて、年月が経過すると色あせていきます。
耐火性が高く、施工がしやすいという特徴を持っています。
近年はスレートやガルバリウム鋼板が主流になってきたため、新しい家にはあまり使われません。
・洋瓦
海外の住宅で使用される屋根材で、洋風の瓦全般を指します。
素材は粘土、セメント、コンクリート、金属が主に使われており、「S型」「F型」「M型」などの形状に分かれます。
これらの屋根材は問題なく塗装が可能です。
2 塗装できない塗装をおすすめしない屋根材
これらの屋根材は塗装しても強度が保てなかったり、傷みやすかったりするため製造中止になっているものも多く、塗装する意味がありません。
・コロニアルNEO
平成13年ごろにクボタ(現ケイミュー)から販売された、ひび割れや欠けが多い屋根材です。
現在は改善されたコロニアルシリーズが販売されています。
表面にランダムな溝が入っていて、屋根材1枚の左右の端が小さくなっていることが特徴です。
・パミール
1996~2008年に大手メーカーのニチハより製造された屋根材です。
耐久性に問題があり、10年ほどでボロボロになってしまうため現在は販売されていません。
表面に木目のような縦線が入っていて、先端の凸凹がまっすぐ均等なのが特徴です。
表面にクレーターのように穴があく、ミルフィーユ上に屋根材が剥がれる、先端が変色するといった劣化症状が見られます。
・レサス
松下電工(現ケイミュー)が販売していた、強度が低くひび割れや欠けが多く発生してしまう屋根材です。
塗装をしようとすると施工の際の高圧洗浄や屋根に上がった時に割れてしまいます。
1枚の屋根材がスリット3つに分かれているのが特徴です。
・シルバス
こちらも平成13年ごろにクボタ(現ケイミュー)から販売された屋根材でひび割れが多いです。
表面に薄い木目のような模様があり、屋根材が隣り合う部分に1㎝くらいの隙間があるのが特徴です。
・セキスイ瓦U
元々アスベストを含有していた商品でしたが、平成2年にアスベストを含まない商品として再販されました。
しかしノンアスベストの屋根材の販売実績がなく、再販された商品は脆くクレームが多発したため、平成19年に販売中止となりました。
・アーバニーグラッサ
クボタ(現ケイミュー)から販売された、うろこ状に入り組んでいて高級感のあるデザインの屋根材です。
しかしその形状から強度が低いため、ひび割れ・欠損が多く発生します。
・ザルフグラッサ
コロニアルNEOと似たクボタ(現ケイミュー)の商品です。
こちらもひび割れや欠損が多く、ミルフィーユ状に屋根材が割れることもあります。
ご自宅にこれらの屋根材が使われているかは、無料で調査することが可能です。
お気軽にご連絡ください。
もし塗装できない屋根材が使われている屋根であれば、後述する塗装以外の施工方法をおすすめしています。
3 ご自宅の屋根が塗装できない場合
塗装ができない屋根材の場合、それ以外の施工方法で屋根を施工します。
・カバー工法(重ね葺き)
屋根材が劣化して塗装が難しい場合にも行う施工方法です。
既存の屋根材の撤去がない分比較的安価に施工でき、さらに耐久年数が大幅にアップします。
ただ、元々の屋根に被せる施工方法ですので、経年劣化した部分などはそのままになってしまいます。
・葺き替え
屋根の表面の屋根材を撤去し、防水シートや下地の木材を新たに張り直した上で、新品の屋根材を被せていきます。
屋根材が変わることにより、外観の印象がガラッと変わりますし、下地から取り換えるためカバー工法よりもさらに耐久性がアップします。
費用はカバー工法より高くなってしまうため、弊社ではご自宅の屋根の状況によってご提案しています。
なお、2016年以前にご購入された物件につきましてはアスベストが含まれている屋根材を使用していることがあります。
その場合アスベストの除去費用もかかります。
4 最後に
塗装できない屋根材で上げた屋根材でも、リフォーム業者によっては塗装ができると判断することがあると思います。
しかし、耐久性や強度の問題で再度施工をしなければならないケースもありますので、判断の参考にしていただければ幸いです。
家丸では屋根材が塗装可能かを調査すると同時に、その他の屋根の不具合などもドローンで調査することができます。
無料ですのでお気軽にご連絡ください。